アンズのつぶやき 213 【神輿を担ぐ】

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【神輿を担ぐ】
 
私が結婚した理由は、
私が夫を理解したいと思ったから。
結婚相手の条件としては、
すでに書いたように、
決していわゆる理想的ではなかったが、
根拠なく彼を理解したいと思った。
その思いを明確に覚えている。
 
ちなみに、
夫が私と結婚した理由は、
「この人は、僕を理解してくれる人だ。」
と思ったとのこと。
 
そうした互いの
結婚を決めた時の思いを
伝えあったのは、
50才を過ぎた頃だった。
 
その時、私は気づいた。
私たち夫婦は、
理解されたい夫と、
理解したい私の組み合わせだったと。
 
そうした夫婦が
どういう関係性に陥るかは、
自明のことだ。
それで私がどうしたかは、
別の機会に譲ろうと思う。
 
結婚生活の中で、
沢山の喜劇や悲劇の経験を通して、
次第に私と夫は調和の方向に向かい、
神輿を担ぐに至った。
片方が道端の石に躓いて、
神輿を担げなくなった時は、
一旦、神輿をおろして、
互いに納得し、合一点に達するまで、
コミュニケーションを取る。
そうすれば、どちらも我慢することなく、
神輿を担ぎ続けることができる。
長い人生、
互いの歩調を合わせることを
面倒がらず、
日々過ごすことが
長い目で見て、結局は近道、
最善なのだ。
それがぼんやりでなくはっきり分かったのは、
60才を過ぎていたように記憶している。
それまでは、
やはり、表面的な幸せに気持ちが向くことも
多かった。
 
しかしながら、
言うは易く、行うは難し。
だからって、
諦めなくていいから!
 
なぜなら、
その諦めなくていいの精神で、
日々を生きる
そのプロセスこそが、
人生の醍醐味だから。
 
神輿の中に何が入っているかって?
それは魂ですよ。
神輿の中の魂が黄金色に輝くよう、
今日もこれからも生涯、
私は夫とリズムを合わせて
神輿を担いで、
人生を歩む。
 
どちらかに死が訪れて、
二人で神輿を担げなくなった時には、
夫であれ、私であれ、
地上に残った片割れが
一人で力強く生きて行くだろう。
そのためにも、
私は夫と神輿を担ぎ続ける。
 
これが真実、錬金術。
相手は、結婚相手でなくてもいい。
あなたの霊的成長には、
他者が不可欠だということだ。

 

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