アンズのつぶやき 260 【良くなる楽しみがある】

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【良くなる楽しみがある】
 
この「良くなる楽しみがある」
という言葉は、
亡き義母が私にかけてくれた言葉。
 
長女はいわゆる育て辛い子で、
世間では、新生児はお乳を飲む時以外は眠っている、
24時間眠っているようなものだ、
という話もあったように思うのだが、
長女の場合、
24時間泣いているのではという程、
喉が渇いたと言っては泣き、
お腹が空いたと言っては泣き、
オシメが濡れたと言っては泣き、
眠いと言っては泣き、
目が覚めたと言っては泣き…だった。
 
口がきけるようになっても、
思い通りにいかないことがあるとよく
激しく泣き叫んだ。
それも私に予期できないタイミングで
娘の思い通りにならないことは起こるのだ。
 
見かねて、義母が口にした言葉が、
「手のかかる子は、良くなる楽しみがある。」
だった。
名言だと思った。
手の焼ける娘を前に、
途方に暮れる新米ママの私には、
砂漠で泉を見つけたかのように、
潤いをもたらしてくれた言葉だった。
 
「この子は良くなる楽しみがある。」
泣き叫ぶ娘を前に、
何度私はこの言葉を噛みしめただろうか。
 
その娘も40歳を越え、
あの頃の大騒ぎ娘の片鱗も見えない。
今では、もうすっかり私の良き相談相手であり、
困った時には、すぐに駆けつけて、
打ち出の小槌をふるって、
知恵を貸そうとしてくれるサポーターだ。
 
が、三つ子の魂は健在だ。
 
自分の感情を自分に隠さず、
表現しようと思った時には、
真っ直ぐにそのまま口にすることができる。
何を考えているか分からないということはない。
義母の言った通り、
良くなる楽しみがあったということだ。
 
泣き叫び、てこづらせるという裏には、
自分の感情は自分のものだということを知り、
隠蔽しないという表もあった。
当時は、私がそれに気づかなかっただけ。
 

  今日の写真はスタンウェル パーペチュアル
  ふわりとした、まるで赤ちゃんのような肌触りの花びら

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